私たちの取組みをご紹介します
ダイバーシティー&インクルージョンの戦略の策定やサステイナビリティレポートの発行にあたり、私たちは初めて男女間の賃金格差の割合の報告を行いました。これは各国の事業所(従業員の5%以上が拠点を置く国)と従業員カテゴリー別に報告しました。
全世界の従業員を対象に、全従業員のダイバーシティーとインクルージョンを確保し、全ての人々に平等な機会を提供することに取り組んでいます。私たちのアプローチは同じ職務に対して男女の従業員での賃金格差が存在しないということです。職務内での給与格差は、在職年数、資格レベル、経験などの様々な要素により考慮されます。
私たちは社内で生じるいかなる賃金格差をモニターします。時間給で働く従業員については、この原則が労働規約に含まれており、雇用される人に関わらず、各雇用形態にて一貫した報酬が支払われます。
他の従業員のために、フォンテラは様々な第三機関の報酬市場データを活用しています。このデータは、市場に対しての競争的な給与ポジションを評価し、内部の一貫性を確保する為に使用されます。私たちは、従業員全体の相対的な給与水準を決定するために、バンド等級報酬制度を活用しています。私たちの報酬は、社内では明確な報酬のポリシーによって確立されています。
またシニアリーダーや幹部社員のために、様々な第三機関の報酬市場データを活用しています。私たちは給与データを社外に公開する際、事業活動を行う各国・地域の関係機関の要求に応じて社外に公開します。ニュージーランドでは、NZXの報告項目およびその他機関の要求に従い情報を開示します。
5か所の事業所において、女性の基本給と男性の比率は1.09であり、平均的な女性の基本給が高いことを意味します。表に示されていないですが、職種別では5か所の事業所において男性の67%がオペレーター、技術者、ドライバー、酪農従事者として働いており、通常は他の職種よりも基本給が低いです。これらの役割を担っているのは女性の39%と、女性はよりシニアな役割に就いている割合が高いです。
国別の給与比率の内訳を見ると、オペレーター、技術者、ドライバー、酪農従事者の男性が高く、女性シニアレベルの割合が高い場合と女性の給与比率が偏っています。従業員数の多いニュージーランドでは、基本給に占める女性の割合は0.96であり、平均的に女性の基本給の方が低いです。
これはニュージーランド平均の0.88より良い数値ですが、まだ改善の余地は残されています。私たちの目的は、全グローバル・ビジネスにおいて、平等な機会を確保し、女性のシニア・リーダの割合向上に取り組みことです。
世界各地の市場を理解し、つながりを持つことが、私たちの成功のために不可欠です。現地の人材を採用し、育成することにより、我々の協同組合の共有された成功に貢献し、我々が事業を展開する国々に貢献します。
私たちの重要な事業所では、シニアマネジメントチームの3分の2以上が「現地スタッフ」であり、シニア従業員とシニアマネージャーが彼らに報告しています。「現地スタッフ」とは、その国で生まれた国民、帰化者したもの、または永住者を指します。
報酬比率
歴史的に、私たちの人権への取組みは、世界中の従業員の権利と保護を優先していました。2014年にISO26000を取得し、このガイドラインの基準に沿って、社会的責任を果たす組織として焦点を広げ、人権に対する私たちのさらなる影響を考慮するためのデューディリジェンスにフォーカスするようになりました。
私たちは国連のビジネスと人権に関する指導原則に基づいています。企業は、事業活動を通じて人権に悪影響を及ぼし、その原因となることを回避し、そのような影響が生じた場合はこれに対処することが求められています。組織は、たとえそれらの影響に貢献していないとしても、その事業関係により、その事業、製品またはサービスに直接結びつく人権への悪影響を防止または緩和するよう努めるべきです。
昨年、私たちは人権に関する目標を定めたデューデリジェンスプロセスを完了しました。このプロセスは、ベストプラクティスアプローチを用いて設計され、潜在的な影響についての理解を構築し、現在ではそれらに対処するための政策や行動を実施することができます。次回のサステイナビリティレポートでは、人権をより詳しく開示していきたいと考えています。
我々のデューデリジェンスプロセスは、私たちのビジネス上の主要国を対象としました。ニュージーランド、オーストラリア、ブラジル、チリの従業員を対象に、人権リスクの観点から、私たちの事業とサプライヤーが人々にどのような影響を与えるかについての調査と質問を行いました。調査は4カ国244名で実施しました。ここでは、従業員の約4分の3を占め、生乳収集量の95%以上を占めています。
2018年には、このデューディリジェンスのプロセスは、その他の国々や、現地の人権保護がそこまで強くない国にも拡げています。
ニュージーランドは、先進国で報告されている家庭内暴力の発生率が最も高い国です。今年度は、私たちがどのような役割を果たし、スタッフをサポートすることができるかを検討してきました。2018年度は、ニュージーランドの従業員を対象とした支援活動を開始しました。
人権デューディリジェンス
世界で最も信頼される乳製品の恵みを届けるというコミットメントにとって、正直さと誠実さを大切にする文化は欠かせません。「The Way We Work」は、フォンテラの企業行動規範です。私たちのグループ方針、特に、利害の対立、汚職、ビジネスギフトおよび娯楽に関するフォンテラの規約を定義する私たちの倫理行動グループポリシーにより支えられています。この3つの文書は、取締役会憲章と共に、フォンテラの倫理規定で構成されています。3つの文書はすべて、毎年見直しと承認が必要です。
フォンテラは、政治的選挙に関連して、立候補者または政党に対するいかなる種類の企業寄付も認めていません。この1年間、政治献金は行われておりません。私たちは、公務員の行為または決定に影響を及ぼす目的で、政府の公務員、当事者または候補者に金銭または重要な価値を提供しません。
Fonterra Code of Business Conduct
「The Way We Work」は、従業員入社時のインダクションに含まれており、複数の言語にて提供されます。オンライン上のエシカル(倫理)ポータルでは、従業員が潜在的な利益相反に気づくことをサポートし、それらが起きた際は状況を適切に管理するための状況の整理を行います。利益相反に関するeラーニングもポータルにて利用できます。このe-ラーニングモジュールは、正直さと誠実さの文化を維持するために「正しいことをする」方法を説明しています。
私たちは、マネージャーが倫理、遵守、汚職に関する要項を確実に理解する為に、毎年のレビューにて運用しています。これはオンライントレーニングによりポリシーの重要な項目を読み理解度を確認し、オンラインテストに合格する必要があります。
これらのポリシーは、取締役会憲章と相まって、フォンテラの取締役にも要求されるものです。フォンテラの取締役は、経済的、政治的、社会的及び法的環境の動向に常に注意を払います。役員会は、グループとして、毎年関連するテーマのワークショップを数回開催しており、役員会は、ガバナンスに関する問題について最新の状況を取り上げています。
フォンテラには、ニュージーランドとグローバルでの納税義務をどのように管理するかを示す明確な原則があります。
私たちは、すべての管轄区域において、公正に納税し、税務上の責任を回避するために、タックスヘイブンは利用しません。私たちは、引き続き責任ある行動をとるよう、透明性を確保し、税務当局と協力します。ニュージーランドでは、協同組合と企業は税法上違った扱いを受けます。フォンテラは、直接課税されるのではなく、収入を酪農家の株主に支払い、彼らの基準で納税します。
Fonterra Tax Principles
私たちのグループリーガルポリシーでは、フォンテラのすべての事業部署が、私たちの業務に関連する全ての法令と規則を確実に遵守するために、明確な説明責任を果たすことが求められています。また、各事業所では、適切な法令を周知・遵守するため、教育を含めた効果的なプロセスを開発し実施することを定めています。
社会・経済分野では、この1年間、法令を遵守していない事例は確認されませんでした。また、この期間中、反競争的行為、反トラストおよび独占的慣行に関連する罰金または非金銭的制裁も発生しませんでした。しかしながら、私たちは、ニュージーランドの裁判所にて少数の農家からの供給条件についての裁判中の案件に関与しています。その主張の1つはフォンテラが2001年酪農産業再編法のセクション106に基づく農家を差別したというものです。
環境不適合を含めた工場関連のコンプライアンスについては、P57の「サステナブルな事業活動」で報告しています。製品や栄養に関するコンプライアンスは、67ページの「サステナブルな消費」のページに掲載しています。
従業員にむけて安全で信頼できる窓口を設け、倫理的・合法的な行動について相談に応じたり、懸念事項を提起したりすることが重要です。フォンテラは、世界中の全従業員が利用できる、Deloitte社が推進する独立したサービスを提供しています。また、従業員とのコミュニケーションを通じてホットラインを推進しており、各工場の掲示板にも掲示しています。
2017年度